市の南方は高台にして、漸次市街地として発展しつゝあり。仙波の南端に不老川ありて、福原、高階両村と境す、東は水田にして、古谷、芳野の両村に接し、伊佐沼あり、西は田面沢村、北は山田村に連接す。此の外小仙波及大仙波は各台地の下より湧き出づる泉集りて小川となり、仙波河岸等より新河岸川に入る、之を境として南古谷村に接す。赤間川は入間川より分流して、田面沢村を過ぎ、西より北に流れ、更に東に折れて伊佐沼に注ぐ、頗る灌漑の便あり。市街は高爽なる土地にして、此處より各方而へ通ずる街道は四通八違の利あり。
本市は凡そ東経三十九度余、北緯三十五度余の間にあり、第四紀古層に属し、方面によりて土質を異にす、沖積層地あり、洪積層地あり、故を以て米穀に宜しき所と、蔬菜に適する所とあり。市の東方(城地)は海抜二十一米あり、河川の沿岸はそれよりも稍々低し。
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